高校PTAについて話しましょう



新役員は、自分たちの活動やその予算などを全く決められない
 

q      高校PTAは小・中学校のPTAと基本的にはなんら変わらないと思いますが、高校の場合は地域との結びつきがあまりないのではないでしょうか。色々な地域から子どもたちが来ていますから、さまざまな困難を抱えているだろうと思います。
ある高校PTAの方から、こんな問題を投げかけられました。
―PTAの会計は自分たちで帳簿をつけているのだと思っていたのですが、学校の事務の方がやっていました。また、予算を決めるのも本部役員だけで決めて、次年度の予算・行事が決まってから次年度の会長・役員を選考するので、新役員の方たちは、自分たちの活動やその予算について全く決められない。―

q      どうしてもそうなりますね。うちも総会までが前年度の役員の任期ですから、予算案を出すのは前年度の役員です。

q      総会は1回ですか? 年度末総会と年度始め総会を一度に行うのですか? 今、小・中学校PTAでも、総会を年一回しか開かないところが多くなっていますね。以前は年度始め総会と年度末総会の2回開くのがほとんどだったのですが。年度末で決算と活動の報告をして、新年度の役員もそこで承認する。新役員は年度末総会で承認されていますから、4月1日から動き始めることができます。年度始め総会までに、学級委員を選出し、各委員会や運営委員会を開催して、新年度の活動案・予算案を決めていきます。 


PTAは学校のサイフ?
 

q      もう一つの問題点として、お金の使われ方があります。その高校PTAから支払われている費用に、特別指導費というのがあるそうです。土・日などに先生が部活の指導をした時に支払われる費用らしいです。会員の方が疑問に思って県の教育委員会に尋ねたら、土・日に先生が部活指導した場合は公費で支払うよう指導しているという回答があったそうです。そのことを総会などで指摘したそうですが、前年度140万円支払われていた特別指導費が、次年度0になったそうです。
また、部活奨励金というのがPTA会費から生徒会に100万円を支払われているとのこと。その他、厚生費・進路指導費など、学校が公費でまかなうべきと思うような費用がPTA会費から支払われている。PTA会費の3分の1が部活に対する援助金、3分の1が学校への援助金、残りの3分の1がPTA本来の活動費というような状況らしいです。他の高校のPTAでも同じような状況があると思いますが、非常に問題だなぁと思います。

q      その方は、「PTAはひとことで言うなら学校のサイフです。独立自治の団体とは言えない」とも言っています。

q      ウチの高校PTAでは、一般会計とは別に教育援助費という項目があります。かなりの額です。進路指導室の先生への手当てもPTAから出しています。教職員ではなく、一般の方を進路指導員として雇って1日4時間勤務で入っています。PTA会長が雇用契約を結んでいます。でも、現実は会長がその方と会ったこともない。「賞与と退職金は県職員に準ずるものとする」となっていますね。

q      総額としてはかなりの金額になりますね。外部の人が聞くと、信じられない話です。新たにそういうことをする時は、非常に問題だとわかるのでしょうが、今までずっとそういう形が続いていると、案外そんなものなのかと気付かずにいることが多いですね。

q      学校の中に進路指導担当の先生もいるので、その先生を補助する仕事をしているのだと思います。

q      指導研修費という形で出ていますね。部活で練習試合や大会へ出るための先生の昼食代の援助もしていると思います。

q      部活の指導を一生懸命やってくれる先生の負担を考えると、心情的には出してあげたくなってしまう。

q      でも本来は、それは教育活動としてやるのならば、公費で出すべきではないでしょうか。それをPTAで出していくと、本来出すべき公費を出さないで済むようにしてしまいます。「先生方の負担が大変だから、もっときちっとした予算を付けてください」という要望を県に出すというのが、PTAの本来の役割ではないでしょうか。

q      PTAの会費から出して補うのではなくてね。

q      それをやっていたら、いつまでたっても状況は改善されていきません。

q      「自分の所で何とかしなさい」ということになってしまいますね。

q      もっとエスカレートしていく可能性もあります。最初は少額の援助だったものが、「あれも出してほしい」「これも出してほしい」と、どんどん膨らんでいってしまいます。

q      進路指導員を配置する必要があるのなら、県費で置くべきです。 



保護者と先生の間に、校長や教頭がいて、直接関われないような感じ 

q      PTAの規約の中で、目的はどのように書かれていますか。

q      「生徒の教育について家庭と学校が分担すべき役割を確認し、PとTが相互の理解と協力を深め、生徒の資質の啓発を目指して活動する」と書かれています。

q      その目的を達成するために、@個人相談・学級懇談会等を中心に相互理解、協同学習の場を設ける A学校及び家庭それぞれの教育的環境の向上を図る Bその他、本会の目的達成に必要な活動は積極的にこれを推進する と書いてあります。

q      うちの小学校PTAの会則には、活動として「公教育の充実」という項目も書かれています。それは、教育予算をきちっと出してもらえるように、充実させるようにということでもあります。それから、教育について活動している諸団体との連携もあげています。

q      部活動などにお金を出すことは、会則に書かれている目的にかなったものではないですね。長年慣行としてやっていることを変えるのは大変かもしれませんが、ちょっと見直してみる必要がありますね。

q      学校が土曜日お休みになって、いろいろなところにひずみが出てきています。PTAの委員会活動を土曜日にやることが多かったのですが、土曜日だと担当の先生も出にくいとか、教室も使いにくいとか、そういう問題が出てきています。また、地区懇談会も土曜日開催なのですが、学校側としては「土曜日は勤務外なので、先生方に言いにくい」と。いろいろなところでカットされる状況があります。

q      先生方も会員ですよね。だとしたら、勤務でPTAに出てくるのではなくて、会員として出てくるのですから、それは親と同じではないですか。勤務外なのは当たり前。

q      校長・教頭先生が、頼みにくいということだろうと思いますが、それってコミュニケーションの問題ね。それにPTAの集まりに出るのは辛いものではないし、先生が出てくることで円滑に行くのだから、遠慮せずにお願いしてほしい。

q      PTAから先生へ参加を呼びかければ?

q      保護者と先生の間に、校長や教頭がいて、直接関われないような感じ。常任委員会に出てこない先生方が常任委員会の動きを知るのは、朝の職員会議などでの校長先生からの報告。その伝え方によっては、実際と違ってきてしまうのではないか。

q      先生と保護者に手をつながせたくないのでしょうか。先生と保護者が手をつなぐことを怖がっているような感じ。

q      卒業式のあり方をめぐっての動きがあった中で、だんだんそういうふうになってきたのかしら。

q      保護者が県に要望を持ってくるとか、裁判を起こすとか、そういう動きにならないように、校長と教頭がびしっと納めなさいよみたいなことがあるのかなぁと感じました。 


教育の場で自由にものが語れなかったり、

自由に学習ができなかったりというような状況は、何とか食い止めたい 

q      PTAで「子どもの権利条約」の学習会をやろうという方向がいつもあるのですが、どういう講師を呼ぶのかということに校長が神経を尖らせている。どうやって学習していくか、難しい。

q      PTA主催の研修会や学習会の講師を選ぶにあたって、校長の一言でそれが覆されるものではないですよね。

q      「子どもの権利条約」の学習がPTAで自由にできないというのは、やっぱりおかしい。教育の場で自由にものが語れなかったり、自由に学習ができなかったりというような状況は、何とか食い止めたいですね。

q      最近77才の方と話していて、「今の日本の社会状況は戦前の状況に似ている。このままいったら、また…」と言われた。「何がいけないんでしょうね」と聞いたら、「押しの強いのには負けちゃうんだよね」と答えた。

q      暴力というのはそういうものだと思う。脅したり、一気にすごい力を出して相手に物を言わせなくすることが暴力。それは私たちの日常の中に、とても簡単におきてくる。なぜかというと私の中にも暴力性があるから。どの人の中にもある。これが暴力なんだなぁと一人一人気がついていくことがとても大事。戦争はいけないというのは誰でもわかるのだけれど、自分達の日常で起きてくる暴力の関係は、皆自己弁護してしまう。

q      親子間でも、夫婦間でも、自分の考えを押し通そうとすると、相手にしゃべらせない、大きな声でまくし立てる…。私もやっています!

q      いろいろな考え、自分と違う考えを少し冷静に聞けるようになったのは、PTAのおかげです。PTAというのは、人間として成長していける場ですね。

q      自分の権利を学んだ時に、少し余裕を持って、人の意見を聞けるようになったと思う。

q      PTAにはいろんな考えの人がいて、そのいろんな考えを出し合って、一致できるところで物事を決めていくから、大きく変えていくことは難しい。会長が一方的にワーッと変えていくことは簡単だけれど、皆で話し合って皆で変えていかないと、会長が変わったらまた簡単に変わってしまう。民主主義とは何かということを私はPTAで学んだ。時間もかかるし、目に見えた成果は出ないし、でもやっぱりPTAの中で大事なのは、いろいろな人と話し合う時間をたくさん持っていくことだと思った。だから、部活の援助費をなくしていくのは大変で、そういう形は続いていくかもしれないけれど、皆で話し合ってそれはおかしいと考えてなくしていくことが一番いい。

q      結果も必要だけど、そのプロセスが大切にしていく。問題提起して、互いに話し合っていくことを大事にしていけば、おのずと結果が出てくると思います。 


子どもたちのゆきとどいた教育を最低限守るべき予算は、

きちっと獲得してもらいたいという話をするべき。 

q      PTA会費はいくらですか?

q      一般会計が140円で、教育援助費が510円の合計月額650円です。今までは一般会計は170円、教育援助費が480円だったんです。なぜ一般会計の方が下がったかというと、一般会計のストックが多くなってきたからです。その分を教育援助費のほうにまわしました。事務長が県の予算がダウンしてきているという実情を説明して、それではどうしてもやっていかれないのでPTAから出してほしいということでした。

q      千葉県も財政的に厳しいので、かなり教育予算を削ってきているのでしょうね。教育費をそんなに削っていいのかという議論を全くしないで、PTAが「はい、わかりました」と対応するというのはどうでしょうか。県立高校なのだから、子どもたちのゆきとどいた教育を最低限守るべき予算は、きちっと獲得してもらいたいという話をするべき。PTAでそういう話題が全く上らないというのは問題。

q      今、県立高校再編の問題が出ていますが、高校の統廃合とか、高校の多様化という方針が打ち出されているけれど、多様なコースを用意することが子どもたちにとっていいことなのかというような議論を、中学校や高校のPTAで話し合ってほしいと思います。教育の中身についての学習や、進路の問題についての学習もそうだし、高校生の子どもが抱える問題や親と子の関係などを学習したり、話し合ったりすることもPTAでしてほしいと思います。

q      学級懇談会を開いても、参加者は少ないですし、あまり面白くない。地区懇談会の方が情報交換もできるし、皆楽しみにしています。

q      学級懇談会で出された一人の人の抱える問題を、皆に共通する問題として話を深めていくことができるといいですね。そして学級で出された問題を常任委員会に持っていって、「皆こういうことを不安に思っているようだから、こういう学習をしましょう」というように、一人一人の会員が持っている問題や悩みをみんなで考えていく。そんな学級懇談会をもてれば、担任の先生とのコミュニケーションも深まっていく。それをもっと広げて学年懇談会にすれば、学年の先生たちとのコミュニケーションもできる。そうすれば、校長・教頭をはさまない先生との関係ができる。

q      高校は子どもたちがいろいろな地域から集まってきているから、学級・学年懇談会への出席が活発にならないのかもしれません。地区懇談会は、松戸・流山・野田・市川・船橋・千葉ニュータウンの方等々、8会場に分けてやっています。

q      やっぱり地区懇談会に一般の先生が参加できるようにしたいですね。

q      小・中学校のPTAでも、「先生と父母が同じ一会員として対等である」という認識を共有できているところは少ない。「PTAとは何か」という研修が必要だと思っても、その研修自体ができているところも少ないです。松P研の会員の人たちも、みんな悩みながら活動している。それは昔も今も、ずっと同じような問題で。