4月例会
当事者が語る学校統廃合問題
古ヶ崎南小 伊藤さん
今回の教育改革で、古ヶ崎南小が小規模校だということで統廃合の対象となり、市教委から3回の学校対象の説明会、2回の地域主催の説明会、また2回の協議会を経た現在でも、保護者はもとより地域をあげての廃校反対という強い意志に変わりはありません。当初より我が地区は、子どもたち・学校と地域の結びつきの強い地域であり、保護者や地域の方の協力によって体験学習を行ったり、学習課題の中で何かあったら保護者や地域の方がすぐ参加・協力するといった、これまで長い間培ってきた信頼関係と伝統があると信じています。家庭や学校だけが子育てをするのではなく、地域全体が子育てをしていこうという、今回教育改革であげられている「ハートフルプラン」を実践している地域だと考えています。地域の中にある学校を地域の財産として、地域のコミュニティの核として、大切にいい関係を築いてきたと考えています。決して地域エゴで統廃合を反対しているのではないということをご理解いただきたいと思います。地域は一度壊れてしまうと、簡単に作り直せない。廃校という形で地域が壊れてしまうと、なかなか元に戻らないということ。子どもたちにとっても地域にとっても、学校が廃校になってはならないという思いで、反対という強い意志で今話し合いを進めている状態です。
現在、保護者18名と町会より14名の計32名で、「古ヶ崎南小学校廃校反対協議会」という名のもとに、協議会が立ち上がりました。2月27日と3月12日に、2度の協議会を開きました。
第1回目の協議会では、協議会の位置づけについてということで、「統廃合計画について私たちが納得できる理由を教育委員会が提示できない限り、計画の変更も含めて話し合う場ですよね」と言うことに対し、教育委員会側は「皆さんの意見を拝聴するだけの会ではない」と言いながら、「納得してもらえるように話し合う場だ」と言っています。私たちとは180度違った、両極端の側の出発だということを改めて確認しました。
また、廃校になる場合の手続きについての質問に、「廃校条例が教育委員会会議で決まり、市議会で決定されれば廃校が決まる」という話でした。
2回目の協議会は、2週間前に開かれた1回目から何ら進展もなく、第1回目の説明会から私たちが提示している「廃校反対の理由」、例えば人口の増加が確実なこととか、なぜ小規模を理由に廃校なのかといった疑問に対して、納得できる説明や回答をいただけず、説明の内容も先般から開かれてきた説明会の時と全く変わりがない状態で行われました。
「教育委員会事務局としては、行政計画を進行・執行するのが義務」との返答に、協議会とは名ばかりで無意味のような感じがしてなりませんでした。また、当日参加した協議会メンバー16名と傍聴者22名に対して、「人数が多くて、話し方や表現も違ってくるので、今まで行ってきた説明会と同じになってしまうので、もっと人数を絞って行いたい」という申し入れが教育委員会からありました。これに対して、参加メンバーは「2度目の協議会の人数は十分に少人数ではないか。人数が変わると言い方が違ってくる、言い方も考えてしまうというのは、いかにごまかそう、いかにはぐらかそうといった考えのように聞こえてしまう。真実をありのままに伝えようとしてくれるのならば、人数なんて関係ないのではないか」と話しました。
「地域ではいろいろな意見の方がいます。5・6人といった少人数で、統廃合問題を考えていく協議会にするには、責任も大きく、責任を負いかねないということで、この人数になった」ということも伝えました。こんなに集まったということは、これだけ教育改革に関心がある証だということで、本来であればそのことを喜ぶのが教育委員会ではないかという話に、会場からは怒りを超えて笑いも聞こえてくる場面もありました。
このままでは何も進展が望めないような協議会です。私たちを納得させるような具体的な説明をしていただきたいということで、責任者である教育長が次回の協議会へ参加するように要求して、2回目の協議会を終えました。現在3回目の協議会の日程を調整してもらっている所です。
Q)協議会はどのような形で生まれたのですか。
A)説明会が終わった時点で、「次は協議会を持って話し合いをしていこう」ということなので、まず協議会で反対を打ち出していかない限り、ズルズルといってしまうのではないかということで、即町会の皆さんとも話し合って、町会の役員の方々が反対協議会のメンバーに入ってくださる、もちろん保護者もそれに加わるという形で出来ました。
新松戸北小 榎本さん
私は、自分の子どもが通っている学校が廃校になるということにまず驚いて、でもお上が決めたことはどうせなってしまうのだろう、保護者はやれることをやればいいと思って1回目の説明会に出席しました。そうしたら「何?これ」と思いました。計画したと言うのだからそれなりの計画を立てて統廃合するのだと思ったら、とんでもない話だったので、それから頭に来て動き出しました。
1回目の説明会が10月16日。新北小はPTAがないのですが、先生のお手伝いをする、電話連絡網のトップになるような存在の世話人の人たちが動いてくださって、説明会後すぐに、保護者へのアンケートをとりました。「あの説明会では全然納得できなかった、なぜ統廃合が行われるのか、なぜ新北小が選ばれるのか全然わからない」という人が多かったです。そのアンケート結果は市教委に提出しています。その時多く出された質問を9つに絞って市教委に質問したら、市教委はその答えを持ってわざわざ新北小へやってきました。でもその回答は、とても納得できる内容ではありませんでした。
2回目の説明会は11月にありました。それでもやっぱりわけがわからない。
統廃合に反対する人が多かったので、反対する会を作ろうという動きになって、「新北小子どもの未来を守る会」(通称:未来の会)ができました。
未来の会は統廃合に反対する会なので、学校の中でやりにくい。学校の中では、賛成・反対ということではなくて、とにかく新北小の保護者である以上は考えなくてはならない問題だから、それの連絡の会を作ろうということで、「新北小連絡会」というのを作りました。それは学校公認の組織で、保護者全体にまた「何が不安か、どんな疑問があるか」というようなアンケートをとって、その報告も出しました。でも連絡会としては、その結果を受けて、だから反対とか、賛成とかというところでは動いていません。
私個人の中では、今も相変わらず納得いかなくて、相変わらず「ふざけんじゃないよ」と思うのですが、他の保護者全体を見ていると、時間の経過とともに「もうわからないからいいわ」と離れて行く人が出てきています。それが怖いなぁと思います。「わかる人だけでやって」という感じが少し出てきているように思います。
新松戸北小 古屋野さん
新北小と新北中に子どもが通っています。共に廃校対象校です。
11月22日に保護者の意見交換会をしました。そこで何とかしなければいけないということで、保護者有志で「新北小子どもの未来を守る会」をつくりました。毎週日曜日に集まって会合を開いて、何とか学校を残すことはできないものか、そのためにやれることはやっていこうと活動しています。
会の中でも絶対残したいという人から、市教委に対する怒りに燃えている人、意見に幅があります。私自身は、個人的には統廃合というのは松戸市の財政から考えるとやむをえない部分もあるなぁと思います。むしろ何でここまで放置してきたのだろうと思います。それをここで一気に片づけようとする、しかも強引に進めようとする。そこにこの計画の無理がある。
学校の適正規模・適正配置、規模の妥当性が、これまで何回も教育委員会の中で議論されてきたわけです、諮問機関をつくって。そこで出された諮問を読んだのですが、去年の2月まではソコソコ教育的な見地があったかなぁと思います。そこまででは、新北小が廃校の対象校だというのは読み取れないのです。新西小の方が小規模なんです。(だからといって新西小がなくなればいいとは思っていません。それぞれが良い学校として残ることができればいいと思います。)新北小の廃校でもって、なぜ解決しようとするのか。適正規模である(今後も適正規模であり続けるであろう)新北小の保護者や児童が、今なぜ苦しまなければいけないのか。このことがいまだにハッキリしない。いまだにこのなぜというところで止まってしまっています。
この計画自体に教育的見地や温かみが感じられません。目的ではなく手段だと言っている学校統廃合問題が、実は目的なのではないかと思わざるを得ません。ただ保護者は疲れてきています。今まで署名運動もしましたし、議会の傍聴もしてきましたし、議員さんとの情報交換、やれることはいろいろやってきました。毎週会合を開いて、子どものためにやっているはずなのに、子どもと遊んでないなぁという状況です。
6月に廃校のための条例が出るらしいのですが、各地域によって納得の度合いに差があります。地域によって納得度合い、理解度、価値観が違うにもかかわらず、対象校8校同時に統廃合の条例を上程していくというのが市教委の方針のようです。いったい合意形成をどうするのか、合意形成をマジメにやるつもりがあるのか、というところでもう少し頑張って働きかけていかないといけないと思っています。そういう意味で、立ち上げるのがちょっと遅くなっていますが、協議会という保護者の考えをまとめて直接市教委に届ける場が必要だと思います。議員さんに私たちの考えを知ってもらう場もまだまだ必要だと思う。
Q)協議会を立ち上げる予定なのですか。
A)会としても協議会が必要だと考えていますが、立ち上げるのはなかなか容易ではない。疲れだとか、どうせ無理だろうとかいう保護者が多いと、代表制を担保するという手続きがなかなか難しくなると思います。どうしたらよいか今考えているところです。少なくとも過半数の保護者の意見を代表して動いているのだという前提がないと、怖くてやれないです。慎重に考えて、でも立ち上げたいと思っています。
根木内地域は…
◆ 私は根木内に住んでいますが、根木内東小では保護者の協議会が立ち上がっています。また地域の人たちの協議会も出来ました。地域の協議会は、根木内小・根木内東小両方を網羅したものです。
◆ 地域協議会の方は統廃合問題だけではなく、教育改革自体に疑問点が多いので、全体を網羅してやっていこうということです。
新北中・小金中の場合は…
◆ 新北中の今年の新1年生は、6クラス。小金中は新1年生が障害児学級4名と普通学級1名の計5名。
◆ 新北中は、最初有志の会があったのですが、協議会だったら代表制を担保することと市教委から言われて、有志の会の方は条件をのんでくれれば代表制を担保すると言ったのですが、市教委から『相手にしない』というようなことを言われてしまったようです。それで有志の会は休止状態。一方学校のほうから、ニュースクールプロジェクトというのが出されました。その一番上に、どう見ても準備事務局のような学校・市教委・学年保護者代表というのがあって、その下に各クラスから出てきた保護者が集まって一つの会があって、というような構成になっています。各クラスから集まった委員がテーマごとに別れて、上から降りてきたテーマに関して話し合って、それを上に返すというような感じになっています。そのテーマは、部活について・制服についてというような感じ。そういう組織が学校主催で立ち上げられるようです。「それが準備事務局にスムーズに移行すると嬉しい」というようなことを校長が言っていました。
フリートーキング
◆ 新北小の障害児学級は統廃合されたら新西小へ移ります。障がいを持った子どもたちは、環境が変わるだけでも相当な負担になります。新しい環境に慣れるだけでも相当なエネルギーが必要になります。障がいを持つ子どもたちの親は、新しい環境の中でどうなってしまうのだろうかという不安を抱えているようです。
◆ 新北小は悪い学校ではない、残すに値する学校だぞという思いもあります。なくす理由がわからない。廃校対象だということが言われていても新入学者が減らない。地域にとっても大事な学校。残す意義のある学校です。計画では、新松戸西小と新松戸北小の統合という表現をとっていますが、実際は北小の児童がみんな西小へ行くという計画ではなく、北小の子どもたちは分散するのです。4割は、馬橋北小や横須賀小、新松戸南小など近隣の学校へ分散してしまいます。選択制によって分散するだろうと。4割がた分散しないと西小には受け入れられないという計画になっています。市教委の予想通りに行かなかった場合は、西小に子どもたちが集中し、そこに負担がかかることになります。また、4割程度の子どもたちを吸収してくれるであろう近隣の小学校では、その精神的・物理的準備が出来ていません。今回の計画は、北小解体計画だと我々は言っています。
Q)協議会と準備事務局の関係はどうなっていますか?
A)協議会の中で全部が計画を納得しました、受け入れますと言った時に、初めて準備事務局になると聞いています。あくまでも協議会は統廃合に向けて作るのではなく、話し合いの場だと市教委は言っています。でも、そこで納得できないから計画を変えるということはなく、理解してもらうための話し合いの場だという話があったので、私たちが考えている協議会とは違うなぁと思っています。
◆
これまでの説明会だと大勢の話し合いになりうまくいかないので、代表制を担保した協議会を作ってもらって、そこと話をしたほうがうまく進められるだろうと考えて、市教委が協議会を作ってくれと要請してきたんですね。
◆
市教委は、協議会と準備事務局はリンクしないと言っています。どういう状態になったら準備事務局ができると判断するのかと再三聞いたのですが、「市教委の企画管理室が総合的に判断して決めるのであって、協議会で合意が取れたから作るという基準ではない」と答えています。昨日、市民集会実行委員会として市教委と話し合いをして、「現在協議会が出来ているのはどこか」という質問をしたところ、「小金中、新松戸西小、根木内東小、古ヶ崎南小にできている」と市教委は答えました。「協議会は必要ないとして、いきなり準備事務局を作っていいとしているのが古ヶ崎小。新北小は、協議会と名乗っていないが、市教委の考える協議会と非常に近い形の組織が出来ている」と市教委は説明していました。
◆
小金中の協議会は3月で解散したと言っていましたよ。
◆
古ヶ崎小も、PTA役員が新しく変わって、事情が良くわからないので、もう一度最初から説明を聞かない限り、準備事務局を受け入れるわけにはいかないのではないかと言っていました。
◆
地域ごとに協議会の内容がバラバラだし、教育委員会の理解と地域側の理解の間にもギャップがあるようですね。
◆
準備事務局の構成は、市教委・校長・教頭・教務主任、保護者代表で構成されます。2校に一つ、残る方の学校に作られるということです。最初は一校にひとつずつと言っていたのですが。まだはっきりしていません。
◆
古ヶ崎南小ができたのも、北部小、中部小から集まってできた。今回の計画で、古ヶ崎小との統合いう形が出されてきたけれど、古ヶ崎小へ行く人が果たしてどれだけいるのか。そのことを1回目の説明会で話したら、3回目の説明会からは、市教委も「北部小に5割、古ヶ崎小に1割、あとは中部小に…」と言っている。それでは統廃合じゃないですよね。新北小と同じ、分散という形です。「それがわかっていながら、どうして北部小では説明会を開いてくれないのか」と再三言っているのですが、「それは北部小から要請がないからだ」と。行く方に準備事務局へ作るのであるならば、古ヶ崎小へ一つ、北部小へ一つ、中部小へ一つという形で作っていただかなければ、子どもたちをきちんと見ていただける保障がない。窓口がないという形になる。
◆
昨日市教委と話し合いをした時に、「協議会もまだできていないような状況では、準備事務局なんてとても作れないでしょう?」と聞いたところ、「いえ、作れます」という答えでした。「学校によっては一週間ぐらいのずれはあるでしょうが、作れます」という言い方をしているので、これは協議会があってもなくても、協議会での話し合いがどうであっても、ある一定の時期になったら準備事務局を一斉に作るんだろうなぁという感じを受けました。
◆
教育改革を打ち出して、地域で説明会をやるたびに色々な意見が山ほど出されて、市教委も収拾しきれなくなってきた。だからといって「聞きません」と言うわけにはいかない。そもそもの計画の中には協議会というのはなかったと思う。聞く耳を持ったふりをしなくてはいけないということで、協議会というものを考え出してきたのではないか。いつまでも反対する人、理解をしない人たちが意見を言う場所として、協議会を作っておきましょう。それが市教委の本音。
◆
議員の立場で言えば、協議会があってそこで話し合いがされていた方が、議会で追及しやすい。「協議会があるじゃないか。納得していないじゃないか。それで進めるのは強行ではないか」と。
◆
新北小の連絡会で「協議会は何をするのか」と市教委に聞いた時に、「何でも話し合います。要望があれば聞きます。できるかできないかは別として、とりあえず話は聞きます」と言いました。それで、「そんなこと言ったら、聞きたいこといっぱいあるので、毎日来てもらわなければなりませんよ」と言うと、「いいでしょう。毎日来ましょう。ただし市教委のメンバーは忙しいので、相手をするのはその学校の校長・教頭になるかもしれませんね」というようなことを言いました。それを聞いて、校長・教頭に相手をさせるということは、「ああ、話し相手ね」と思いました。それでは協議会は意味がないのかと思いましたが、やっぱり保護者としては、協議会もなく準備事務局が立ち上がってしまったら、納得したと思われてしまうのなら、市教委が認めるものを残しておかないと…。しがみつく所として協議会が必要かなぁと思う。
◆
市教委と話し合う中で、いろんな問題点が新たに見えてくるものがあるだろうし、公の場でいろいろな意見を交換し合うというのは、それだけで意味があるのだろうと思う。
Q)準備事務局ではどういうことを話し合うことになるのですか。
A) クラスの編成、総合的な学習の時間をどうするか、制服をどうするか、部活をどうするか、校歌をどうするか、そういう実務的なところです。
Q)条例というのはどういうふうになるのですか。
◆ 学校の設置条例の改正をして、廃校する学校を削除するという手続きになるのですか。
◆
やったことがないから良くわからないのですよね。
◆
それが6月の議会に出されるのですか?
◆ 当初のスケジュールでは6月となっているのです。でも6月でなくても時間的には間に合うはず。市教委がどのように考えているのか、わかりません。
それだけの地域コミュニティを壊そうというのはとんでもないことですね
◆ 根木内小と根木内東小が統合されると、大規模校に近い状態になる。それに学区内にまだ新しい住宅が増えつつあるということですね。
◆ 新しく転入してくる人がいても、「子どもの数が少ないより多いほうがいいですかねぇ」とか「根木内小学校には学童がありますよ」とか言って、市教委が誘導していた。古ヶ崎南小でも同じことをしている。統廃合計画が発表される前から、着々と準備を進めてきていたとしか思えない。
◆ 今働いているお母さんたちが多いので、学童があるかないかは大きな問題。
◆ だから学童を作って、まず条件を同じにして何年か様子を見てほしい。それでも子どもたちが減ってしまうようなら、それは親達も地域も仕方がないと納得できるところもあるだろうが、今の状態では条件が違うので納得がいかない。古ヶ崎南では、いきなり廃校にするのではなく、私たちの手で学童を作ってやってみたいと話しています。地域で、「場所を提供するから、お母さんがたのボランティアからやってみたら」と言ってくださる方もいるので、ちょっと話し合ってみようかと思っているところです。
◆ それだけの地域コミュニティを壊そうというのはとんでもないことですね。
◆ 今年度も総合的学習のために田んぼや畑を貸してくださる方がいて、子どもたちはそこをお借りして体験学習をします。そのほか、さまざまな協力があります。そうした積み重ねがあったので、今回の計画についても町会も当初から一緒に反対するという形で動き出せたのです。
◆ 先生とのいい関係もできているから、そういうこともできるのでしょうね。
◆ 人数が少ないので、先生方も家庭や地域のことが良くわかっている。親の話もすぐ聞いてもらえる。先生もその話を聞いて、子どもたちを気遣ってくれる。親にとっても「学校にいれば安心」というところがあります。校長先生が子ども会や町会長さんへ声をかけて、「地域懇談会」という形で、学校の中を見学したり、今の学校の問題や地域の防犯の話、子ども会の行事などを話し合ったりという情報交換の場が、学期に1回あります。
◆ 鶴ヶ島市の学校協議会と同じようですね。
根木内小の校舎は現在でも空いているような状況ではない。
◆ 今回の教育改革について、教職員は何も知らされていなくて、説明してほしいという気持ちはずっとある。でもこれまで全く市教委からの説明はない。教職員は保護者の方たちの認識まで届いていない。PTAは「中立性を保ちたい」ということで、PTAの中ではこの問題についての話し合いを設けていくことはできないと言っています。教師とお母さんたちの連携がうまく取れないまま、事が進んでいってしまっています。意識的にがんばっているお母さんたちが、今度PTAの中に統廃合を考える実行委員会を作るといっています。課題としては、広くお母さんたちに教育改革の内容を私たち教師が知らせていかなくてはいけないなぁと思っているのですが、そこのところで力を発揮できていません。
◆ 今、保護者の中でもトーンダウンしてきている人が多いです。気持ちとしては統廃合反対、アンケートが来れば無記名だから反対と書く。でも統廃合するのかどうか、良くわからないという今の不安定な状態が嫌だと言う人もいます。わからないことが不安と言う人もいます。
◆ この状態のまま統合を迎えることが一番困る。子どもたちの心のケアは誰がするのか。
◆ もし、新北小の子どもたちがみんな新西小へいったら、教室足りるんですか。給食の食器足りるんですか。そういうことを調べたいと言うと、「でもそれは準備事務局がすること。準備事務局を作るというのは統廃合賛成ということでしょう」と言われる。
◆ 根木内東小と根木内小が統合した時、根木内小の校舎がそれに耐えうるのか。そういう情報を提供してもらえなければ、統廃合がいいか悪いかの判断ができないから、それは当然の要求。統廃合の是非を判断するための材料を得るために、いろいろな取り組みができるのではないでしょうか。統合先の学校施設の見学は取り組んだほうがいいのでは。
◆ 根木内小の校舎は現在でも空いているような状況ではない。統合したらどうするのかと思う。
◆ 根木内小は1学年に1ヶ所しかトイレがなく、今でも少ないと言っています。手洗い場もトイレのところにしかありません。
◆ 学区の見直しは大変だからやらないと市教委は言っていましたが、統廃合の方がよっぽど大変ですよね。
◆ 適正規模・適正配置等検討委員会を傍聴した時に、せっかく審議したんだから市民に知らせる必要があるのではないかと言ったのですが…。台東区に住んでいる先生が台東区の広報誌を見せてくれたのですが、学校統廃合をするにしても必ず決定前に区民にアンケートをとっているんです。そしてその声を広報誌に載せて、今後何年間の計画で統廃合をしますよ、学区の見直しをしますよと特集号を出しているのです。松戸市の検討委員会でもまず学区の見直しをして、それでも必要だったら統廃合を検討するという答申を出しているのですから、それは市民に知らせる必要があるのではないかと言ったのです。でも一回も広報誌に出ませんでした。
◆ 学校のコンピューター予算は毎年2億円くらいですよね。あれを見直したらどうにかなりませんか。
◆ トイレは汚いのにコンピューターはきれい!
◆ うちの学校の5年生の机とイス、ボロボロなんですよね。穴はあいているし、ガタガタするし、傷だらけだし…。
◆ 地震対策だって、まだ終わってないんですよ。
受身では絶対幸せはつかめない
◆ 小規模校で空き教室がいっぱいあってもったいないのなら、そこを有効利用していけばいい。その方がお金がかからないだろうし、学校が地域のいろいろな世代の人が集まるコミュニティの核になる。
◆ 古ヶ崎南小には、すでに学校を核とした地域コミュニティがあるのに、そこを壊すというのは理解できない。教育改革アクションプランの中にもちゃんと書いてあるのに。この矛盾を彼らはどういうふうに考えているのだろうか。
◆ 多分、地域の大きさの違いだろうと思う。私が地域を考える時、小学校区をイメージするのですが、市教委の考える地域はそんな小さなものではなく、ゾーン制の松戸市を三つか四つに分けたゾーンの大きさくらいの地域なんですよ。そういう大きな単位の地域だから、一つの小学校がなくなってもいいんですね。
◆ 市教委の方がそのように言ってました。「古い形のコミュニティではなくて、新しいコミュニティを求めます」と。私たちの作っているコミュニティとどこが違うの?と思いますが、今後はその辺についての話し合いもしていきたいと思います。
◆ 以前、長野県坂井村の村長さんのお話を聞きました。坂井村というのは人口3000人弱の小さな村ですが、村長さんが言うには「小さいからこそやれることがいっぱいある」と。国から下りてくる施策だけではどうしても坂井村に合わないということがある。だから自分でいろいろなことを考えて、村民に提案して、村に合った施策をやり続けている。基本的に地域の人たちを信用しているんですね。それと市町村というのは行政の単位ではないということを村長さんは盛んに主張されていました。「受身では絶対幸せはつかめない」とも。統廃合問題で、運動をしている方たちは確かに疲れているかもしれないが、行政が決めたことを鵜呑みにして、ずっとそのままにしていたら、多分それがずっと続くと思う。多少反対があったけど押し切ろうと。小金中の説明会であるお父さんが「統廃合をいつ決めたんですか」と質問した時に、教育長は「市民に早く知らせて、上手くいかなかったことがある」と言っていた。ここに本音が出ている。だから受身じゃやっぱりダメ。この統廃合問題は結局は子どものことなのですから、本来だったら子どもたちの声を聞かなくてはいけないのですが、それをやっていない。鶴ヶ島市は人口6・7万の小さい市ですが、地域の人たちの声を聞いてゆっくり改革を進めている。私も改革は必要だと思います。今のままでいいと思っている人は誰もいない。でもやり方や中身が松戸の場合はおかしい。これは本当に住民自治の問題なので、諦めないで言い続けていかなければ。
◆ 学級規模はだんだん30人に近づいてきましたが、学校規模も考え直さなくてはいけない時期だと思う。根木内東小や古ヶ崎南小のように200人前後いたら、ヨーロッパでは大規模校になる。全員の職員がすべての子どもたちの名前を覚えられるくらいでないと、本当に教職員も地域の人も親密な関係になって、より豊かな教育ってできないと思う。それを統廃合して大規模校を作っていくのは逆行している。
◆ 1学年1クラスというのは子どもにとって良くないと、市教委は言っている。
◆ 千葉県の南部へ行ったら、そういう学校ばかりです。千葉県南部の町の教育長さんが、「統廃合しなくちゃいけないと思うのだけど、住民の人たちに説明すると、教育長だって複式学級で育ったじゃないか。それでも教育長になれたじゃないかと言われると何も言えなくなる」と話していた。
◆ 30人で1クラスしかないのだったら、15人で2クラスにすればいい。今ここにいるのが15人なんですが、適正規模ですよね。誰もが主役になれて、話し合いも良くできて。
◆ 市教委だって、人数が多いと話が深まらないから、小規模で協議会を作ってほしいと言っているではないですか。