アビスタには、元気な若さとゆったりした空間がありました

武中 悦子

 

 我孫子駅から歩いて10分くらいでしょうか。手賀沼公園の緑にとけこむように、その建物はありました。図書館と公民館の複合施設『アビスタ』です。
 中に入ると、小さな子どもの元気な声と、吹きぬけの明るい光・・・なんて気もちのいいところでしょう。公民館の女性職員、渋谷さんにお話を伺ったり、ビデオを見せていただいたりするうち、ますますここが気に入って、我孫子市民がうらやましくなりました。
 特に中高生、10代の人たちのことが大切に考えられているというか、彼らの意見が尊重され、1人の市民としての居場所がちゃんとあるという感じです。
まず図書館のティーンズコーナー。スペースは小さいのかもしれませんが、位置づけがあるということは、これからますます充実していくことでしょう。
 それに公民館の講座(というのでしょうか)の一つ、ティーンズ会のことは、本当に心に残りました。中高生たちが企画・立案して、それが実現するなんて・・・(公民館の手助けは大きなものです)。懇談に応じてくれた市長も素晴らしいけれど、そこで自分の住んでいる街のこと、市政のことにまで話が及ぶなんて・・・。そして、市長が若者の声に耳を傾けてくれるなんて・・・。我孫子市の将来は明るく輝いています。
 和菓子屋さんのお話も良かったです。市内にこんなすてきな人生の先輩がいて、こんなに感動的な課外授業をしてくれるなんて・・・。若者は先輩市民に学び、先輩市民によって育てられていくことでしょう。
 建物の中を案内していただいて気づいたのは、中高生、10代の若者が多いということ。静かに自習する部屋もあれば、ジュース片手におしゃべりできる場所もある。これならコンビニをたまり場にしなくても、いろんな世代の人たちと違和感なく過ごせそうです。乳幼児の保育室も、子ども会の話し合いも同時進行。市民というのは、こういうとぎれのない世代の集まりなんですよね。
 我孫子市の歴史と文化を学ぶ講座も人気だとか。『景観討論会』のポスターでは、市の景観について意見を発表してくれる人を公募していました。それも小学生以上にその権利があるんです。自分の住んでいる街を愛し、大切にしているのがわかります。
 お昼は、館内の福祉事業のお店でいただきました。障害があっても一市民として誇りを持って仕事をし、社会に交わる場が自然にあることもいいなと思いました。
 市と市民とは、相互関係で育っていくのが理想だし、アビスタはその拠点になるような気がしました。

     



アビスタ見学記

戸泉 由美

 

駅前の道路を道なりにダラダラと下ってゆくと、降りきったところで手賀沼と緑の公園が見えてくる。その左手に比較的低層の近代的な建物が建っている。

中に入ると夏休みのせいか子どもや学生がたくさんいる。宿題を片付けに、あるいは受験勉強に来たのだろうが、皆リラックスしているように見える。

図書館と公民館を複合させた施設。我孫子市民の生涯学習支援を目的としている。アビコ+スタディでアビスタ。ここでは企画をして学習場所を提供するが、それは支援の第一歩。

仲間作りができて、もっとどんどん学習のわくを広げたいと思ったら、市民の意見を尊重しつつアドバイスをしてくれる。自主的な学習意欲がどんどん育ってゆく。

一階の約半分のスペースは図書館で一般書と児童書が同じフロアーにあり、子どもに本を与えながら、母親だって本・雑誌・CDだって見られるのだ。

あとの半分と二階には、大小のホール・学習室・和室・工作室・調理室・託児室・喫茶コーナー等があり、屋上は緑地化してまるで丘のよう・・・・

見学後、小6の長男が、「僕、あんなところが家の近くにあったら、毎日行くのになぁ。」

と言っていた。私も同感!うらやましい!!

なぜ人口12万都市の我孫子にできて、その約4倍の人口の松戸市にできないのか?

市民も強くそれを望み、働きかけてゆかなければ。おーい、皆も見学に行ってごらんよ。  




我孫子の公民館 

我孫子の公民館は、アビスタ内にある我孫子地区公民館と、湖北地区公民館の二つがあります。両館あわせて、7人の職員が配置されており、そのうち2人が社会教育主事の資格を持っています。その他に特別職(週3日勤務)の指導員が13人(我孫子地区に9人、湖北地区に4人)います。指導員の方たちが、公民館主催の講座や学級の企画・運営にあたっているそうです。指導員室も確保されています。
アビスタの2階に事務室がありますが、公民館と図書館共通の事務室になっています。毎朝、両方のスタッフが打ち合わせを行っており、情報の共有、連携が自然にできるのではないかと感じました。
公民館の事業も充実しています。その中で、一番印象に残ったのは、「学校週5日制に伴う事業」です。「公民館を地域に開放し、子どもたちが世代を越えて、様々な人々と交流ができ、学校や家庭では得られない体験をする」ことをねらいとして、毎月第2・第4土曜日に、講座を開いています。第2土曜日は、自由に参加できる、体操・レクリエーションや、折り紙・将棋等を楽しむ自由な居場所のような雰囲気、第4土曜日は事前の申し込みを必要とする陶芸や料理等の子ども向け講座。(我孫子には児童館がないようなので、その分、公民館でこのような取り組みを充実させているのかもしれませんね。)
松戸でも青少年会館や、公民館で、取り組まれていますが、我孫子の人口13万人の3.6倍の松戸では、施設数が非常に少ないですね。子どもがひとりで参加するには、施設がもっと近くにあってほしいです。(浅井) 




我孫子市生涯学習推進計画は市民委員会が作成 

 アビスタ見学の際、説明をしてくださった公民館職員の渋谷さんが「我孫子市では、生涯学習推進計画を市民委員会でつくったのですよ」と誇らしげに語り、市民委員会の提言書とあわせて、生涯学習推進計画の冊子をわけてくれました。
 そのはじめに市長の言葉として、次のようなことが書かれています。
『・・・「生涯学習推進計画」の作成にあたっては、まず市民委員の皆様に、白紙の状態から1年間かけて、計画の原案となる「提言書」をまとめていただきました。次に、それを市の各課で全庁的に検討しました。この検討を踏まえ、さらにもう一度、市民委員の皆様と議論を深めて計画を完成させました。計画の目玉といえる「あびこ楽校」も、そんな議論の中から生まれたものです。・・・』 

我孫子市生涯学習推進市民委員会とは・・・

l  20013月にスタート。

l  構成は市民委員15名とコーディネーターの市民2名の計17名。

l  全体会の他、「市民委員会ニュース制作部会」「市民意識調査部会」「推進計画起草部会」などの作業部会を設置。

l  計画に反映させるために、生涯学習に関する意識調査を実施。

l  20023月に提言書を市長に提出

l  提言書提出後も、計画書作成に関わる。 

市民委員会の提言書と計画書を見比べてみても、市民委員会の提言内容がほぼそのまま生かされた生涯学習推進計画になっています。わかりやすい言葉で書かれていて、具体的に何をするのかが見えてくる内容になっています。 

松戸市でも計画段階の市民参画を!

 現在、松戸市でも生涯学習基本計画(案)ができあがっていますが、市民の意見を聞く日程的な余裕はないといっています。開かれた教育行政、市民とのパートナーシップによる教育改革といいながら、計画段階にはなかなか市民を参画させない、松戸市の姿勢が見えてきます。

今の時点では松戸市の基本計画の中身はわかりませんが、ぜひ市民の意見を聞き、それを基本計画に反映する時間を十分にとってほしいと思います。その時には、ぜひ公募の市民による市民委員会をつくり、議論・検討をしてほしいと思います。

(浅井ゆき)