9月の松戸市議会で下記の陳情が賛成多数で採択されてしまいました!

『平成13年度教科書採択についての陳情』

 教育委員会において、平成13年度に採択され平成14年度から使用されます中学校歴史教科書について、下記のとおりの原則で採択がされるよう市議会において、はたらきかけて下さるよう陳情いたします。

1.        平成13年度の採択作業においても、平成12年6月1日付で千葉県教育委員会教育長から各市町村教育委員会教育長に宛てた「義務教育諸学校における平成13年度使用教科書の採択について」と題した通知の趣旨を踏まえること。

2.        教科書の記述内容が客観的事実であり、かつ、歴史の光の部分と影の部分がバランスよく記述されていること。

3.        平成14年度から施行される新学習指導要領の趣旨に最も忠実な教科用図書を採択すること。

4.        共同採択制度の下でも教科書採択権限は市町村教育委員会に留保されていることから、市町村教育委員会が教科書の内容について上記3点の観点から十分吟味を行うこと。

なぜ中学校歴史教科書だけに言及するのでしょうか。教科書は学習指導要領の趣旨にそって記述されているかどうかが検定の対象となるのではないでしょうか。陳情の1と2は、採択する必要のない項目だと思います。教科書の検定制度や採択の制度については様々な問題があると思いますが、この陳情はそれについてきちんと検証したものではなく、あくまでも中学校歴史教科書にこだわるのは、現行の歴史教科書は自虐的であり、もっと日本を誇りに思えるような歴史教科書をと主張する「新しい歴史教科書をつくる会」の運動の一環としての陳情だからでしょう。陳情の3が「つくる会」編の歴史教科書を採択しろという、一番強調したい項目だと考えられます。

このような陳情を市議会が採択してしまうことは、教育基本法第10条の「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」の不当な支配にあたるのではないでしょうか。

歴史の光の部分と影の部分がバランスよくといいますが、日本の歴史自体が、影の部分が多く閉めている時代を記述するのに、バランスよくというわけには行かないでしょう。歴史的事実を都合よく作り変えることはできないのですから。

 松戸市議会がこの陳情を採択したことに対し、強く抗議したいと思います。