7月11日、千葉県議会本会議において、下記の意見書が自民党賛成多数により強行採択されてしまいました。
松P研として、県議会議長宛に抗議書を送ります。

日本国への愛情と誇りを持つことのできる歴史教科書作成に向けて適切な対応を求める意見書

 国家の基本は人であり、教育こそが国家百年の計である。教育は、新しい世紀の到来を前にして取り組むべき最重要課題である。 現在の教育現場は、学級崩壊・不登校・校内暴力と問題が山積している。これらのことと、自国の歴史に誇りを持てないような記述に満ちている歴史教科書の存在が無関係だとは思えない。よって、本議会は、政府に対し、児童・生徒が自国の歴史・伝統・文化に誇りを持ち、日本国への愛情をより一層強めるような歴史教科書を作るための適切な対応を求める。                                          
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。                                                 

平成12年7月11日
千葉県議会議長

2000717

千葉県議会議長殿

『日本国への愛情と誇りを持つことのできる歴史教科書作成に向けて適切な対応を求める意見書』採択への抗議

 7月11日、千葉県議会本会議において、自民党千葉県議団から提出された『日本国への愛情と誇りを持つことのできる歴史教科書作成に向けて適切な対応を求める意見書』が強行採択されたことに強く抗議します。
 今、いじめ・不登校・学級崩壊等、学校教育の場での問題は非常に深刻です。毎日子どもたちと直接向き合う先生方や父母たちは、心を痛めながら、様々な場で共に話し合い、考えあい、子どもたちの伸びやかな成長のために力を尽くしています。
今回の意見書は、そうした人々の骨身を削るような努力を真っ向から否定するものであり、様々な教育の問題を解決する道筋を閉ざすものです。
県議会はいったいどれほどの時間をかけ、現在の教育問題の調査・分析をしたのでしょうか。「学級崩壊・不登校・校内暴力」等の問題と歴史教科書との関係を裏付ける事例があるのでしょうか。
十分な調査・分析なしに、また確かな根拠もなく、このような意見書が採択されたことに強い憤りを感じています。あわせて、いじめや不登校などで悩み苦しむ子どもたち・父母・教師の思いを踏みにじり、政治的に利用しようとするこの意見書の採択に深い悲しみを覚えます。
 今の子どもたちに必要なものは、日本人としての誇りではなく、人間としての誇りであると考えます。そして、自分を愛し、他者を愛し、共に尊重し合える関係を、大人である私たちも共に作って行くことが求められているのではないでしょうか。
過去の歴史を正しく知り、同じ過ちを二度と起こさぬよう正面から向き合って学んでいくことで、人間としての誇りを持つことができると考えます。
 以上のことから、今回の意見書の採択を取り消し、現在の教育の場での様々な問題を解決するためにいったい何が必要なのか、子どもたちの立場にたって、十分に時間をかけて議論されることを要望します。

松戸市PTA問題研究会